それぞれの立場でさらに加速する、人生100年時代の国家戦略
方針提言の立役者となったのは、自民党若手議員の小泉進次郎、村井秀樹、小林史明の3名だ。
小泉は38歳の若さで環境相に就任し、若きリーダーとして連日衆目を集めているのは周知の通りだろう。
かつてより、共働き世代の子育て支援に力を入れていた村井は、私的年金改革や医療介護への先端技術活用など、引き続き人生100年時代の生き方を支える仕組みづくりを進めている。
小林は、専門のデジタル化を武器に自民党青年局長として、若手議員を巻き込み、「誰もが安心して挑戦できる国」を目指し、取り組みを加速させている。
環境相として人生100年時代の持続可能な社会をリード 小泉進次郎
「人生100年の社会保障」改革の中心人物であった小泉進次郎は、2019年9月、環境大臣 兼 内閣府特命担当大臣(原子力防災)に就任した。世界的にも注目の集まる気候変動や、国内の災害対策・復興支援等に邁進している。
これまでの厚生労働分野とは異なるものの、環境問題の解決、脱酸素型社会の実現による持続可能な社会を目指す。
人生100年時代の社会保障でも、時代に合った「持続可能」な仕組みを提言していた小泉。より俯瞰的に社会を見渡し、”イノベーションの創出を後押しして社会変革をもたらす”社会変革担当として、国づくりをリードしている。
積極的に現場にも出向き、人生100年時代に沿った社会保障や医療介護の発展へ寄与 村井秀樹
自民党厚生労働部会 国民起点PTで、小泉と二人三脚で活動してきた村井。子育て支援を中心に、政権の中枢に対して働きかけを行ってきた。
現在も、人生100年時代の社会保障や、医療・介護分野の改革に向けて、検討・提言を続けている。
たとえば、事務局長を務める自民党年金員会で私的年金ワーキンググループ(WG)では、非常に複雑で、リテラシーにより老後の収入や資産形成に大きな差が付きかねない私的年金(企業年金・個人年金)制度の、あるべき姿を模索し、提案している。
テクノロジーを取り入れた多様な働き方の面から、社会保障の課題にアプローチ 小林史明
小林史明は、第50代 自民党青年局長を務めている。青年局長は、現首相の安倍晋三をはじめ歴代総理を輩出していることでも知られる組織だ。
小林は自身の経歴を活かし、以前より「テクノロジーの社会実装」をポリシーに活動を続けている。最近では通信やメディア領域の規制緩和、行政サービスへのIT導入、各分野でのテクノロジー活用等を進める。
一見すると「人生100年時代の社会保障」との関連が薄そうに思えるかもしれないが、
たとえば以下のようなことを支えている。
“リモートワークの環境が整備されることで、(中略)子育てや介護のために外で長時間働くことができない人も、家で仕事ができるようになり新しいチャレンジもできるようになる”
( 小林史明 公式HPより )
また、昭和型の「支える側」「支えられる側」を年齢で分断する社会保障も、テクノロジー活用により働き手を増やすことで変えられると考え、以下のように語る。
社会保障の将来課題について必ず論点になる、支える側と支えられる側の比率について、現在は、「65歳」といった年齢で分断されていますが、年齢に関わらず意欲と能力さえあれば働きたい人がたくさんいます。
ロボットや自動運転など技術も活かしてこうした方たちが働ける環境を整え、働きたい人がたとえば週2日程度働くと、2040年には今よりも支え手の比率が多い社会ができます。
政府の「骨太方針2019」に反映されたことで、一区切りした「人生100年の社会保障」。中心的な役割を務めたメンバーは、また新たな役職・領域に取り掛かっている。そして、「人生100年時代の国家戦略」の実現に向け、これまで以上に奮闘を続けている。